硬膜動静脈瘻と放射線治療(ガンマナイフ)

 硬膜動静脈瘻のほとんどは効率よく血管内治療で治療できますが、一部の症例では開頭手術で治療するものもあれば、ガンマナイフなどの放射線治療で治療をせざるを得ないものも存在します。

 ガンマナイフ治療は定位放射線手術の一種で、病変に対して、コバルト60から発生するガンマ線を照射し、治療する方法です。 転移性脳腫瘍、一部の脳腫瘍や脳動静脈奇形が治療対象の一部です。

 硬膜動静脈瘻に対し、ガンマナイフはある程度有効な治療ではありますが、第一選択と考えるべきではない

 硬膜動静脈瘻の治療の目標は静脈還流障害によるさまざまな問題をなくすことですが、ガンマナイフ治療が有効な場合でも病変が消失するのに月単位または年単位の時間を要します。 出血後の硬膜動静脈瘻など重篤な静脈還流障害がある場合、ガンマナイフ効果を待っている間に再度問題を起こす可能性が十分にあります。

 ガンマナイフのもうひとつの問題点としては、より治療の必要性が高いタイプである静脈が逆流している状態では有効性が下がるという報告が多いという点です。

 著者が治療に関わってきた100例以上の硬膜動静脈瘻の治療の中でガンマナイフで治療したケースは2例のみです。 血管内治療が正しく行われていれば多くは完治が得られ、緊急性が高い状態の症例では完治目的で開頭手術などを行うべきと考えます。