用語説明

このページは随時更新いたします。 (last update 2020.7.1)

  このページでは他のページで使用した専門用語についてわかりやすく解説します。 (説明はできるだけ、専門用語を使用しないほうがわかりやすいですが、一部の疾患にはあるキーワードを理解することでその後の病状の説明に対する理解が容易になるものもあります)

  • 海綿静脈洞: 脳の静脈が頭蓋外に流れ出る時に静脈洞という構造物を使うのが主な流出のルートです。 海綿静脈洞もこの脳の静脈の流出路の一つであり、頭蓋骨底部の中央部に存在します。 特徴としてはこの海綿静脈洞の中を内頚動脈が通過するのが特徴です。(イラスト参照) この海綿静脈洞は様々なところの脳の静脈とつながりを持ったりすることがあり、構造が複雑であると同時に個人差があり、これに関連する病気がある場合、画像の詳細の検討が必要です。 ここを通っている内頚動脈に動脈瘤があると周囲の神経を圧迫し、目の動きが障害され、複視(目が二重に見える)症状が出ることがあります。 この部位にある動脈瘤は破裂する確率は極めて低く、症状がない状態では治療するべきではありません。 ただし、増大中のものは症状が出る前に治療することがあります。 万が一この部位の動脈瘤が破裂しても「くも膜下出血」にはならず、頚動脈海綿静脈洞瘻という状態になります。
  • 狭窄: 細くなっている状態のこと。 通常は動脈硬化などで血管の壁が厚くなって、内腔が狭小化する状態を指します。 その血管は外からみると細くなっているわけではなく、壁が厚くなるため、血液が通るところが狭くなって、血流が減少します。 
  • 硬膜: 頭蓋骨によって、脳は保護されていますが、単純にこの頭蓋骨に覆われているわけではなく、頭蓋骨から脳実質までに硬膜、くも膜、軟膜が存在します。 硬膜は頭蓋骨の裏側を全体的に覆っており、壁と壁紙の関係のような膜です。 名前のとおり、比較的硬い膜で、硬膜にはこれを栄養する動脈と静脈が存在します。
  • シャント(英語:shunt): 簡単に言えば「短絡」している状態です。 つまりはショートカットやバイパスが形成されている状態です。 病気によって「シャント」が形成される動静脈奇形では動脈と静脈が短絡(シャント)している状態を言う場合に用いられます。 または水頭症などの場合は脳の内部にたまった髄液をおなかに流すチューブを手術で設置することもシャントを作るといいます。
  • 側副血行路: 本来その領域に血液を供給する血管が閉塞または高度狭窄が起こるとその領域に届く血流が減少します。 このままでは脳梗塞の落ちいてしまいそうですが、実は体にはいろいろな「バックアップ」の仕組みが備わっています。 この側副血行路もそのひとつです。 わかりやすく言えば、家に帰るための幹線道路が閉鎖されてたら、通常は迂回路を使って、家に帰ることができます。 この「迂回路」が側副血行路ということになります。 この側副血行路は血管の閉塞部位による違いや個人差があり、一定の傾向はあるものの、完全な予想が難しいです。 しかし、この側副血行路があるおかげで、血管が閉塞しても脳梗塞にならないで済む状況はたくさんあります。
  • 複視(英語:diplopia): ものが二重に見える症状です。 両眼視で複視が起きる場合は眼球運動障害が原因であることがほとんどです。 海面静脈胴部硬膜動静脈瘻の場合、横側(病気になっている側のほう)をみるとより症状が強く出るタイプが多い。(外転神経麻痺の症状) 上下方向と内側(病気になっている側からみて鼻の方向をみる)で複視が出る場合は(特にまぶたが開きにくいなどの症状が加わっている場合)動眼神経麻痺の可能性が高く、緊急性がある動脈瘤の切迫破裂の可能性もあり、早期の医療機関受診が必要です。
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