硬膜動静脈瘻

硬膜動静脈瘻とは?

  硬膜動静脈瘻=こうまくどうじょうみゃくろう と読みます。 硬膜動静脈奇形などと呼ばれることがありますが、正式な病名は硬膜動静脈瘻(dural arteriovenous fistula)です。 

 硬膜動静脈瘻は比較的まれな疾患であり、医療従事者も患者さんも正しい知識を得ることが困難です。 別のページで述べましたとおり、正しい診断と治療が重要な疾患であり、このページが硬膜動静脈瘻の理解に役立てば幸いです。

どのような病気なのか

   病名のとおり、「硬膜」にある「動脈」と「静脈」の「瘻」である。 瘻(ろう)はあまり見慣れない漢字かもしれませんが、「異なるものが連なっている」という意味のようです。 

正常の静脈還流(かんりゅう)を示す。 脳の静脈は「静脈洞」に流れ込み、そのあとはさらに大きな静脈になはれ混み、心臓に戻るという構造です。 これはまるで家庭の排水のパイプが大きな排水路に流れ込むのと同じ仕組みです。 静脈は圧力がほとんどなく、重力(圧格差)に従い、流れます。
硬膜動静脈瘻の状態を示す。 脳の静脈の排出のための静脈洞に動脈の血液が流入します。 この状態を「シャント」と呼びます。 これが硬膜動静脈瘻の病態です。

 硬膜とは頭蓋骨の裏側(脳に近い側)を覆っている膜のことです。 

   簡単に言えば脳や脊髄の表面を覆っている膜(硬膜)にある静脈に動脈が繋がりを作り、動脈の血液が直接静脈に流れ込む状態の病気です。 どのように悪さするかということについてはこちら(症状について)で説明します。

   病気の発生原因がはっきりわかっているものも多いですが、硬膜動静脈瘻についてはいろいろな仮説が言われているなかで、真相はまだわかっていません。 発生する部位によって男女の差があることはとても興味深いことですが、少なくとも喫煙、高血圧など一般的な脳血管障害の危険因子は原因にはなりません。

硬膜動静脈瘻の症状

  硬膜動静脈瘻の症状は病気の発生部位より様々であり、詳細は症状についてを御覧ください。 代表的な症状は耳鳴り、眼球の症状(充血)、複視(目が二重に見える)などですが、部位によっては歩行障害などの症状を起こすこともあります。

 硬膜動静脈瘻は難病?

  難病の定義は難病情報センターによると 1)発病の機構が明らかではない 2)治療方法が確立していない 3)希少な疾患である 4)長期療法が必要である と定義づけられています。 硬膜動静脈瘻は少なくとも 2と4は該当しないため、難病とは言えません。

  とはいえ、発生頻度が少ないため、正しく診断されない可能性があり、さらに十分な治療経験がある専門家が少ないことは事実です。